まったく、最近の俺はどうかしてる。
俺らしくない。
『俺らしさ』がどんなことかは思い出せないけど、
俺らしくない。
ダセー。

俺はあんたの思ってるような人じゃないよ。
なんか、平均以下。
バラの名前を変えたところで、美しい匂いはそのまま。
そのトゲもそのまま。
ダセー。

もう俺を嫌いになってもいいよ。
ここまでどれだけ苦労したか。
もう忘れるのも無理だしよ。
Deleteキーも効かねえしよ。
普通に消そうとしてみても、
なんかよくわかんねえ警告ウインドウ出ちまうしよ。
上書きしようとしてみても、
ちょっとした間に流れ込んできて
空白に記憶の奔流。
俺のハードディスク、超、超、不安定。
こら、勝手にデータ掘り返すな。
そいつはゴミ箱に捨てたろう?
そんなクリック一発で簡単に復活させてくれるなよ。
また苦労して消さなきゃいけねえじゃねえか。
なあ。
なあ、知ってるか?
そうやって思い出したりしてるうちにも
シナプスの結合はより強くなって
更にデータを強固なものにしてんだぜ。
だから復活させんなっつーの。
そんなんいらんわ。
俺、そんなんいらんわ。
それにな?
あのな?
ハードディスクってのは、
データ量多すぎると動作不安定になるもんやねん。
たぶん。うん。
だから、もう消そうよ。いらんってそれ。
ほら、またフリーズするぞ。
ダメだ、俺、メモリも足りねえみたいだ。
だめだめですやん。
誰か増築してくれよ。
そや、あれ。あれあれ。水冷とか付けてみよう。
たぶんもっと頭冷すべきやと思うねんな。
つか消えろってもう。
なによこの警告ウインドウ。
英語やし。読めるかっつーの。
一回ちゃんと消せたのによぉ。
何トチ狂ったことして腐っとんねんもぉぉぉ。
もぉーぅぅ消えてよぉぉぅぅ。
あー女々しい。
ダセー。

くだらないことに対しての記憶力がいいのが、欠点です。
ダセー。

雨はだんだんと 白い雪に変わり
今年も変わらねえ仲間と朝まで また
野郎のみで一年に一度の日祝うなんて異次元に行きそう
「大好きなあの子はきっと」なんて思うと一瞬嫉妬
場を彩る華もなく 特別な夜はまた終わる
まあウサ晴らしも早々に 酒飲み気分上昇し
上がってきたぜ体温も このまま潰れちまおうか
何気ないあの街灯も 気のせいかいつもより最高の
灯りが俺らに問い掛ける うさんくさいトークすら盛り上げる
こんな夜は何かが 起きそうな気がするよ神様
夜に溶ける最終電車 行き先は誰もいない終点
20021231 夜はこれからだ
空けた酒は一本二本じゃ済まない
また定番中の定番チューンで声を上げるのさ一晩中
待ち侘びた ここニ三週間 今夜こそ二人マンツーマン
今夜どんな話をしよう 硬い話はなしとしよう
周りには気の知れたメンバー 騒げ はしゃげ 朝から朝まで
一人ぼっちの淋しい奴らが集まりいつもと変わらない宴会
シャンパンクラッカーいくら弾けても心の中はsilent night
楽しもう人一倍 って思ってたはずが一人芝居
浮かべた作り笑い噛み合う カラ騒ぎの続いた街
このままで塞いどこう この揺れる気持ちの深いトコ
BGMが不意に変わる 皆に合わせて無理に騒ぐほど
なのに感じた孤独 耐え切れず窓の外を覗く
分かってるのに期待したい どっかで俺だけを待ってるように
一人飛び出す夜の街は嘘みたく込み合う雨と
心の寒さに凍えながら 立ち尽くす君を求めたまま
ダセー。

俺はダサくなんかねー。
そう言ってみたいけど
そのセリフもなんだか
やっぱりダサいのさ。

俺はもう、ダサいままでいいさ。
このまま、からっ風に吹かれて逝くさ。
うわ、ダセー。
今のダセー。