童貞

結構
ヤらずってのも
いいかもしれない。

何故なら
俺には
夢がある。





無理矢理だったのに

無理矢理だったのに
あいつは
なんか
感じまくっていた。

俺は
それを見て
にやり、としながら
少しだけ
萎えた。

ほんと、
うれしかったんだがなあ。




童貞男のセックス感

好きな女と
寝たいと思う。

好きな女を
抱きたいのではなく
好きな女と
寝たい。





振動減衰運動

言葉ってのは
死ぬもんなんだな。






五分後の世界

ある小説を読んで
突然
氷砂糖が
食いたくなった。

ので、
自転車で
近くのドラッグストアへ
買いに行った。

なんとはなしに
袋の裏の
成分表を
見ると、
そこには
「原材料:グラニュー糖」
とだけ
書いてあった。

俺は
なんか
すげえと思った。





CUT5

俺は
散髪ってのが
どうも
好きじゃない。

こっちが金を払っているのに
なぜか店員はプレッシャーをかけ
気を許すとタメ口になり
どこか客をバカにした様子が見えてしまう

なにしろ
髪を切られるってことは
どうしようもなく
受身なものだし

でも、
あのマッサージは
悪くない。





サド

たまに思うのだが
世間は
『サド』ってことが
どういうことか
分かってるんだろうか。

俺は軽いサディストだ。

つまり、
人を苛めるのが
楽しい。
俺の行動で
誰かを
困らせるのが
楽しい。

相手に
強い痛みを与えるものでは
駄目で
それはたとえば、
動きたくても動けないような
もどかしさ。

女の子の
困った顔が
たまらなく
好きだ。

たまらない。





サド

そのことで
変態と呼ばれようが
気違い扱いされようが
俺は、
一向に
構わない。

そうやって
人の性癖を
非難して
得るものなど
ほんとに
なにもない。
思うに
自分を
見ていない。

それに、まあ、
実際サドだし。





サド

あるサドが言った。
「サドの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」

あるマゾが言った。
「マゾの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」

あるぺドが言った。
「ぺドの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」

あるホモが言った。
「ホモの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウなひとだなあ」

あるレズが言った。
「レズの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人ね」

ある獣姦マニアが言った。
「獣姦の楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」

あるスカトロマニアが言った。
「スカトロの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」

あるデブ専が言った。
「デブの楽しみを
 知らないなんて
 カワイソウな人だなあ」


気持ち良けりゃあ
なんだっていいや。





嘘のような本当の話

君はサドか、
それともマゾか、
どっちだい?

いつか気付くだろう。
サドだ、と答えた人は
自分がマゾだということに。
マゾだ、と答えた人は
自分がサドだということに。





ゆかり

前々から気になってる人がいた。

彼女はいつも
予期せぬ
ふとした瞬間に
おれの前に現れて、
そのことに気付いた数分後には
おれの前から
消えていた。

おれは
意識しない間に
彼女にぐいぐい惹き付けられた。
彼女は、
容赦なく
躊躇なく
おれをぐいぐい惹き付けた。

そして彼女は
自身で
それをほとんど意識していない様子だった。

おれは
彼女のことを考えるとき、
代名詞だと不便なので
彼女に「ゆかり」という名前を付けた。


ある日、偶然にも
ゆかりと
話す機会があった。

マクドで
ハンバーガー・チーズバーガーセットを前に
おれはゆかりに
「お名前は?」
と訊ねた。

ゆかりは
一言
「美雪」と
言った。

おれは、
窓の方を向いて
咥えた煙草の
その舞い上がる紫煙を
眺めながら、
ゆかりに
気付かれないように
「にやり」と
笑った。




セックス

つまり
俺は
今、
とても
セックスが
してみたい。