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八月三十一日(水)

上映会お疲れ様でした。
なんともまあ、アクシデント揃いの、素晴らしい二日間。
明日から学校が始まるのだけれど、特に生活が変わるような気がしない。
それは間違いであるのだけれど、本当に、心底、どんな気もしないんだよ。


- - - -

「いや、でも僕だって、言ってくれないとさ」
「……」
「午前二時に自転車で二十分のファミレスまで呼び出されてね、着いてみても、そんな、
 黙ったまんまでさ」
「……」
「でも解らない僕にだって、推測することはできる。実際、僕はあらゆる方向からの検討
 によって、可能性を三つくらいにまで絞り込んでいる」
「……」
「でもね、僕は、そんなの気付いていないし考えてもいないふりをするよ」
「……」
「そこまで愚かには成り切れないんだ」
「……」
「ねぇ、先輩、そろそろ何か言ったら?」
「……」
「……」
「……」
「昨日食べたチョコレートがね、甘かったんだ」
「……」
「どうしてだと思う?」
「……」
「……」
「……ありがとう」
「どういたしまして」




八月二十八日(日)

やっと八月が終わる模様。そういや朝方、肌寒いもんな。
あとバイトして学校行って上映会してまったりしたら夏休み終了ですか。

そんなバイト帰り、いつものようにイヤホンから流れる音も心地よくペダルを漕いでおったら、
こう、前方数メートル先を知らぬ女がやはり自転車で
同じぐらいスピードで
短パン、腰見せの小柄な女が先行く道は拙者の帰宅路でもあり
後を付ける感じで、漕ぐ、漕ぐ。
イヤホンからはタイミング良くNunberGirlのCIBICCOさんが爆音で流れ
俺は街灯の少ない夜道に浮かぶ自転車に乗ったCIBICCOさんを眺めながら
なんだか、プロモーションビデオでも見ているかのような錯覚に陥る。
とても楽しかった。数十秒のことではあったが。

給料が入った!



八月二十七日(土)

バイト前です。水産部門には正式なバイトが僕しかおらず、土日はどないもこないもならない状況。
苦痛だった労働が、だんだんと気楽に考えられるようになってきました。
楽観の皮を被った退化でしょうか。不感症だよ。

何も考えていない状態、というものが好きなので
バイト中は鼻歌を歌ったりして気を紛らわせています。
鼻歌でcoccoやエレファントカシマシを歌いながら二割引のシールを貼ったりします。
クロロホルムって効くまでに少し時間が掛かるから、アニメみたいな使い方はまずできないけれど、
酸素濃度6%以下の空気なら一回の呼吸で瞬時昏倒するらしいので、そっちの方が活用し甲斐があるなぁ。
なんて考えながらせっせとナマモノ運びます。

密室状態の部屋で、スプレーとライターの火炎放射器で遊んでいて、
ふと「あ、酸素が足りない」と思ったことがあります。
その場には五人ほど居たのですが、不思議なもんで、全員同じタイミングで「酸素!」と思った。
窓に飛びついた。
こう、息を止めるじゃないですか。
苦しい、ていうか、なんかもやもやしてくるじゃないですか。肺とか、喉の奥あたりが。
精一杯に呼吸してるのにその感じ。呼吸しながら息止めてる感じ。
みんな酸素には気をつけろ。



八月二十五日(木)

あらゆる意味で怠けています。
やっとの思いでリンクにInnocent Blueを追加。
遅れに遅れて申し訳ない、申し訳があるとはこれっぽっちも思っていない。

今日台風が来るという情報を知り、これが文化人だぜ!と意気込んでおった俺の知らぬところで
台風が逸れているそうです。そんなばかな。
文化人になりきれない。

映画記
 今日のできごと
 死に花
 ブルー(韓国)

演劇・舞台(映像)
 Sweet7(ラーメンズ)
 ヘヴンズ・サイン(大人計画)


大人計画の舞台映像を一度に五本も入手したのですが、
多すぎると逆に「見たいけど見ることができない、という気分になりたい」
という方向のベクトルが発生して、あーなんかなー。といった模様。
自主規制でピーが入ってる箇所がむちゃくちゃ多かった。
好きな変人は松尾スズキ氏と鳥肌実氏です。

- - - -

「そろそろ掃除したら?」
「えー」
「えー、じゃなくて、だってほら、この部屋タバコの空き箱いくつあるの」
「たくさん」
「あと、ボックスティッシュが面倒だからってトイレットペーパーを裸で置いておくな」
「えー」
「えー、じゃなく」
「びー」
「びー、も違う」
「なんて言って欲しいんだよ!」
「掃除しろって言ってんだよ!」

そんなこんなで掃除してこましたろ。



八月二十一日(日)

コンテンポラリーダンスというものを観劇するのは初体験。感激。
独学でできないかなぁ。増える奇行。奇行紀行。
京都では、チラシにうまい棒をホッチキスで留めて配ってました。
いいなぁ。

大抵のことは、大抵の場合、女の子の方がセンスが良いわけです。
だから男の子って、ああなんだよ。

僕の手首には傷があり、
肉芽が盛り上がった状態で固まってしまい
ミミズのようなそれは完全に肌色に同化しており
しかし確実に周りのものとは違ったような細胞の感触。
それが自傷だとかそういうもんじゃなくて
小学校の廊下を走っていたら樽太鼓の飛び出た木片でえぐれた、という
なんの感傷もないものだということが
なんだか、とても笑える。

あの娘がリストバンドを外さないのは
手首の傷を隠しているから
と、思われたいからなのさ。



八月十九日(金)

バイトは猫を被り続けてます。そんな僕を弾けさせようと、日々悪質化するセクハラと闘っております。
具体的には脇腹を揉みしだく等。
その鬱憤晴らしに廃棄商品を持って帰って、でも食べないなんてことが起こります。
廃棄=人気がない=無料でも食べる気がしない、の悪循環。
今日は100g500円くらいの中トロを食べたので少し満足。
しかしこれは贅沢とは言いません。トロで胸焼けしても、これは贅沢ではない。
夜中に一人で飲んで吐く、に近い心境のような気もするし、全然違う気もする。
ついでにお金がない。
愛じゃ家賃は払えない、て、大家さんは言うけどね。

BABY-Qを見てきます。気が付けば無茶苦茶に楽しみ。このセンス好きだなぁ。

宿泊。



八月十八日(木)

大阪までえっちらおっちら。次は30日に上映会するみたいですよ。
って十二日後じゃん!ひゃー。
と言いつつも非映像メンバーの拙者は気楽なもんで
がーんばーれ がーんばーれ がーんばーれーよー
なんて、おじゃる丸の替え歌ふうに歌っておると髪の毛が焦げ茶になる。

メモ 「確信犯」の誤用について
Wikipediaによる解説



八月十七日(水)

映画。今日のできごと。
テーマは「人にはそれぞれ事情がありそれぞれ今日があってどうのこうの」みたいなことだと思うのだけれど、
単純に面白かったというか、
主人公の友人がaiko似で可愛かったり、池脇千鶴が出ていたり、
なんていうかそっちばかり見ていたのだけれど。

飲み会の過ぎた部屋が映るシーンがあって、
そこでグッときてしまう。
あんなに切ない光景って、そうない。
宴会場に射し込む、あの朝日の暴力さといったら、優しくて、
聖水で溶けてしまいそうだ。

きっと賛否両論あるのだろうけれど、
終わり方もとても好き。
と思ってたら九州の友人からタイミングの良すぎるメール。
「日本の映画ってラストってか終わり方うまいよな。なんでなん?」
知るかいな。

ああ、なんだ、書いてたらどんどん素敵に思えてきた。
今夜は染髪でもしましょうか。

今だからできることをやっておきたいだけなんだよ。

「ある年齢で過ぎ去るべき物事を、経験しないままに年を重ねるということを
とても恐れている、ただそれだけなのです」


八月十七日(水)

「友達の話なんだけどね、」

「うん」

「なんか、困った男に引っかかって困ってるらしいのよ」

「うわあ、二重苦だね」

「具体的に言うと避妊をしない困った男」

「へー」

「彼女、どうしたらいいと思う?」

「いや、もっと他の情報がないと、なんとも」

「とりあえずこの話だけ聞いて、君はどう思う?」

「んー……」

「……」

「先輩のしたいようにすればいいと思うよ」

「いや、本当に友達の話なんだが」

- - - -


「セックスしないと人類が絶滅するじゃあないか!だなんてのたまう男よりは
 いくらかマシなんじゃないかな」

「誰のことよ、それ」

「さあ」

「しかもマシじゃないと思う」

「僕もそう思う」


- - - -

「いや、本当に友達の話なんだよ?」

「じゃあ誰の?」

「それはちょっと……君も知ってる人だし」

「あ、いや、うん、もういいや」

「?」


- - - -

「でさ、その男っていうのがね」

「ちょっと黙って」

「な、なに? どうしたの?」

「どうもしてない」

「どうもしてないことないでしょ。なんか、怒ってる?」

「怒ってないナリ」

「……」

「……」

「ごめんね」

「どうもしてないナリ」



八月十六日(火)

バイトを始めて、なんだか時間の浪費を感じる、何もしていないような感じですが、
準備期間なんだと思いながら我慢。我慢我慢我慢。
二十八日にはお給金が結構な額、振り込まれるのだ。
お金をかけなくても楽しいことはできるんだーとは言いますけれど
僕の中で一度のイベントにかけるお金は二千円くらいが一番楽しめるラインであり
それも捻出を考えるような状況であり
この一年で行動範囲が梅田、神戸、京都と自身で驚くほど広がり
あれですねー電車ってお金かかるんですねーあんまり意識してなかったけれど。
車か。運転手付きなら考えてもよい。

残り二万。
二十八日までのイベントは四つほど。
なんとかなりそうだー。

おまえ何働いてるんだと
無駄の固まりみたいなおまえが
何を一丁前に時間のやりくりを考えておるのだと
違うねん許してよ
行動的になってるねん喜んでよ
飛んで跳ねて叫んで脱ぐから笑ってよ
流星群なんかよりもパラボラアンテナや縦横無尽に走る電線の方が情緒を感じるよ

FISHMANSを聞き始めているが、既にヴォーカルが亡くなっておると知り、いきなりショック。

タイムイズマネー、というのは、時間を甘く見すぎていると常々思っており
マネーにもならないような、汗くっさい、一人で飲んで吐く、みたいなタイムが
ある象限ではマネーなんかと比べられない程大事だったりする

限度はありますが、時間はお金で買えます。
失われるはずであった時間なら、お金で取り戻せます。
特急電車なんて、そうですよね。

非常に気分を害する夢を見せられてしまったので
前回のファミレス大会でパクってきたティーバックのアップルティーに
牛乳を混ぜ
と思ったら牛乳がなかったので、マミーを混ぜ
ハイロウズの『マミー』を歌いながら
台所で、やけくそ気味にそれを口に含み
漫画みたいに、えろえろえろえろーと吐き出して
また含み
えろえろえろえろー
コップ一杯分繰り返して
部屋に戻ると、お香が付けたままで
むせかえる匂いに、って何の匂いなのかわかんないんだけど
窓辺に腰掛けた煙草ロボが
座ったまま崩れ去り
自身の関節の柔らかさを訴えており
僕は江戸川乱歩の「パノラマ島」を読み終わり
満足げに今日が始まる、そんな午前中。



 世紀が揺れてる 畳の匂い
 喉咽も渇くし 腹も減るのだよ
 マミー その布ちょっぴりわけてくれよ
 血を拭きたいんだ

 世紀が揺れてる 俺は生きてる
 それは確かで あとはどうだろう?
 マミー その布ちょっぴりわけてくれよ
 血を拭きたいんだ

  (THE HIGH-LOWS/マミー)