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七月三十日(土)

 蚊


 よく風呂場に蚊が閉じこめられているのですが あれはどういった造作でしょう 下水から上がってきたのでしょうか ぶみぃぃぃぃんと響く羽音 こちらはと言えば頭をわしゃわしゃシャンプー ああ 今私は全裸で目を開けることすら叶わぬ無防備な状態 大事な所を刺されたらどうしましょう 大事な所を刺されてしまったらどうしてくれましょう! などと不安に駆られながら ああ! 鬱陶しい たとえ雌に分類されると言えど 蚊などにモテましても 私嬉しくありません

 苛つきを抑えながらも泡を流し落とした私 憤慨もそのままに 辺りを見回しましたところ ああ いるいる 神聖なる風呂場に悪魔の黒点が浮かんでおる ファック! と両手を突き出した姿勢でゆらりふらり ぱちん! 逃しました ぱちん! 逃しました ぱちん! 見失いました

 落ち着け落ち着きなさい ここは風呂場 神聖なる風呂場 かのスタジオジブリも耳をすませばと言っております 感じるのです 憎き羽音を 悪の波動を こちらは無防備な素っ裸 だからこそ感じることのできる要素もあるのです 考えるのではなく感じるのです そうここは神聖なる風呂場 水になるのです!

 と 両手を突き出した姿勢もそのままに目を瞑り 立ちこめる蒸気と同化を試みておったのですが どうもおかしい 物音一つしませんよ どうしたことでしょう 瞑想を諦めやはり視認での目標補足に切り替えてみましたところ ああ こんなところに 風呂場の壁に止まっておる 道理で羽音がしないわけです 蚊といたしましてもこの高温 やはり羽休めは必要なのでしょう 蚊が温度を感じられるのかは知りませんが


 そこで私 いいことを ええ いいことを思い付きました ちょっと動かないでくださいよ と蚊に目配せをして そっと洗面器を持ち上げます 窪んだ側を向こうに構えますと さあ お仕置きの時間です!

 壁にがぽりと押しつけられました洗面器 すかさず辺りを確認いたしますが 悪しき黒点の姿はなく 耳をすませば微かに聞こえます あの憎き羽音 悪しき波動 洗面器と壁との密室で 藻掻き苦しんでおります 慌てております 狼狽しております 混乱しております 取り乱しております ああ 快感

 これまでの十数年 蚊には散々苦しめられて来ました この恨み 晴らいでか! と発起いたしました私 洗面器を無茶苦茶に小突き 隙間から水を流し込み 飽きたらず 泡立てた石鹸 シャンプー シェービングクリーム 髭剃り アヒル その他多数 上手く隙間から滑り込ませ 洗面器本体を小刻みにスライド 震動させ 楽しみます そらそらそら 慌てふためくがいい 体力の続く限り飛び回り 蚊に産まれたことを後悔しながら 死んでゆくのです!

 気付けば体も乾き 陰部も丸出しで風呂場の壁に向かい洗面器を押しつけておる私 ああ 飽きてきました うらみ・つらみ・ねたみ・そねみ・ひがみを晴らす絶好の機会とは言え 所詮は蚊 そんなもんです あー飽きちゃった もう入れるものも無いですし どのように最期を飾りましょうか などと思案しておりますと かなり弱くもなりましたが まだ微かに聞こえます 憎き羽音 悪しき波動 洗面器に震動が伝わっているような気がして 気持ちが悪いです どうせ弱り切っておるのでしょう 洗面器を外しよろよろと出て来たところを この両手でぱちん 大往生といきましょうか

 なにか言い残すことはありませんか と 耳を付けました洗面器 ぶみぃぃぃぃんと羽音の震動が微かに頬に伝わり はは 気持ち悪 でも少し いい気味です しばらく悦に浸っていましたが いかんせん直ぐに飽きてしまいます さあ 言い残すことは無いのですね と耳を離そうとしたそのとき どうしたことでしょう ぴたりと羽音が止みまして 沈黙 安泰 静慮 なんですか さあ これでもう最期ですよ 慌てなさい! 取り乱しなさい! と小突きたる洗面器 やはり反応はなく ぽっくり逝ってしまったのかしらん と 再び近づけたる耳元 微かですが確かな声 擦れた女の声が

「 こ の 恨 み  晴 ら い で か 」


 私驚いてしまって ひっ なんて情けない声 思わず離した洗面器 中身がばらばらと風呂場の床にぶちまけられ 落下音 風呂場に響きました 数秒の放心の後 蚊はどうなったのだろうと探しましたが 一向に見付かりません まあ全て流してしまえばいい と 手に取りました洗面器 その中央に 蚊が一匹 張り付いたまま事切れており その口元 自らの腹を刺しているようにも見えましたが 直ぐに流してしまったので もう確認のしようがありません ええ もう蚊なんて 飽き飽きですわ


 それからというもの あの風呂場 四季を問わず 姿もないのに ぶみぃぃぃぃんという例の音





七月三十日(土)

 昼に起きて、学校へ。行かなければならぬ、行かなければならぬと考えていたが、いざ行ってみると、やるべきことが見付からないもので、まあしょうがないので画像処理関係の文献を読みあさっておったが、量子化、離散フーリエ、Z変換、など拙者の神経を逆撫でするような内容がずらりと並び、あーあきまへんわー、な日。今日は今期初めて夏休みらしい日を満喫できた日であり、そこそこ満足。図書館にも行けた。あまり人の居ない日にビレッジバンガード等の不思議雑貨本屋巡りで一日潰したいのだが、果たして実現するのか・・・。

 セミフィクション『蚊』




七月二十八日(木)

 泊まり→バイト、の黄金パターン炸裂。むむ、この生活は学校に行けないぞ、と夏休みが一週間終わり、気付く。一日たりとも休んでいないが、生産活動も自分への投資も行っていない。初期のイースタン・ユースの歌声が、響き渡る。これは少々まずいぞ、なあ、近商さんよぅ?

 京都みなみ会館まで、えっちらおっちらMOOGを観に行く。映画館は久々。ぎりぎりで理解できる電子系単語が目白押しで、違った楽しみ方をしておるなぁ、などと思いながらも、座席に三角座りで前のめりという分かり易すぎるのめり込みかたを披露。悪く言えばMOOGのCM映画、プロジェクトXみたいなもんなんですが、面白かったので、良し。電子系な人は観たら何ぞやる気のようなものが出るので、まあ、なんですか?見れば?みたいな。今度、暇になったら、テルミン作ろうか。

 バイトで廃棄処分となる商品をパクってるんですけど、なんか今日はウナギの肝なんてものが賞味期限で、これで僕も夏ばて解消だ!と、別に自室におるとき以外は大抵クーラーにあたっておるので、時にはマイナス18℃という、なんだか凄そうなんだけれどファミレスとマクドで慣れきっておる極寒地獄に臑毛が凍るまで滞在しておったりもするので、夏ばてっていうか単に体と思考が重いだけなんですけど、まあそんなわけでウナギの肝を食しておったわけです。どひゃー、苦い、まずい、珍味だ、どっひゃーなどと喚きつつ、読書に講じながら肝を摘んでおったところ、スタミナが妙な方向に働いたのか、さっきから皮膚の二枚ほど下がやけに発熱しており、パンツ一丁ですので、誰か遊びに来たらいいかと思います。あ、日付が変わった。

 「今なら側転できるかも!」よりも、「今は側転でけへんわー」の方が、多いですね。

 日曜大工なんかの、DIY、って、確か“Do It Yourself”だったと思うのだけれど、あれってスラングで“自殺(しろ)”みたいなニュアンスですね。怖いねぇ。なんて、ニヤけながら。

 (笑)【かっこ・わらい】の単語が、辞書に載るそうですよ!
 なんて、微妙な嘘はどうだろうか?
 今の貴方にピッタリだと思うのですが。

 フラッシュ付きのカメラが欲しい、という時代錯誤な願いを抱えています。
 意外と不便、フラッシュ無いと。
 というか、なんとなく撮りたいときに限って、暗いのですね。
 暗いものが撮りたいのかも知れない。
 使い捨てカメラのフラッシュを改造してスタンガンを制作したのは、十六才のときでした。
 人体には、使用(試用?)しませんでした。
 今の貴方にピッタリだと思うのだけれど、どうだい?




七月二十五日(月)

むやみやたらに、しんどい、というか、しどい、ああ、しどい。
時間の経過が放つ、この他の何物にも無頓着、無関心な振る舞いといったら!
愛だけさ 笑うな 殺すぞ


 どうしたのだ、お前、その、眉毛、お前の、眉毛は、どうしたのだ。

 などと狼狽えつつ申しやがる者がいたので、はた、どうしたのだろうと思い鏡を覗き見やるに、成る程、確かに我の眉毛が、どうしたことか消え失せ、いや、両の手足で足る程の本数を残し、喪失、失踪、遺失、うむ、消え失せておる。

 ああ、思えば昨日の午前三時半、眠れず、壁に寄り掛けた枕に寄り掛け、朴念と無心の境地に達しながらも、所在なさげに眉にあたる部分を弄り掻き繰り返しておった記憶がある。あのときか。あのとき我は、無心ながらも一心不乱に、眉毛を抜き抜きしておったのか。どういうことか。ねえ、これってどういうこと?

 とその者に問いたるに、ああ、君、それはストレスだよ、との返答。
 ふむ、成る程。相判り申した。

 と、その者、なにやらじっと我の顔を、瞳を覗き見ておる。おろろ、何ぞ、愛の告白かしらん。いや、まだ心の準備というものが。

 お前、よく見たら睫毛も無くなってるじゃん。と。

 この痴れ者が。




七月二十四日(日)

 バイトのことなんて書いてやるか!(何

 エンディングのラスト10分、金粉に塗れた鶴瓶さんを見て初めて25時間テレビというものがやっていたと知る生活です。今回は恒例のチンコ出しはあったのだろうか。チンコ出汁だと少し嫌だ。もちろんチンコ出汗だと、もっと嫌。

 バイト帰り、といってもマクドで働いていたときのように午前三時に帰宅なんて不健康生活ではなく、近商らしく八時半の帰り道なんですが、一発だけ、打ち上げ花火が見えた。個人での花火にしては豪華な、自治体の花火にしてはジャブ程度の、金色の打ち上げ花火が。それを見上げながら、もしこれが客観的に、純文学のジャンルで、また抽象映画、イメージ映像として文字化、映像化されたものであるとしたら、このような生活の中での一発だけ上がった打ち上げ花火は、どのような感情、概念、気持ちを表すものとして活用、そして解釈されるんだろうと、なんともなしに考えた。美しさ?儚さ?昇天?寂寥?感傷? もちろん僕の実生活は現実で、たまたま見つけた打ち上げ花火が、なんともなしに考えたところで、意味なんて持たない。それはたまたま見つけた打ち上げ花火というだけの存在であり、以上でも以下でもないし、異常でも烏賊でもない。なんともないものである、ただそれだけである。そんな思考が、急に浮かんできた。現実に上がった打ち上げ花火は、妙な勘繰りで捻くれた解釈をされるわけでもなく、ただ、そのものとしてそこにある。打ち上げ花火は、どこにも行かない。打ち上げ花火なんだ。何故だか少し、ほっとした。

 でも本当に見たんだよ。一発だけの、打ち上げ花火を。


 



七月二十二日(金)

 バイト行ってきました。なんのことはない、タイムカードの仕組みやら、品出しやら、ちりめんじゃこの袋閉じやら。冗談半分に「僕はタイムセールスの男になるよ」などとうそぶいておったわけですが、一日目にして実現。『二割引』と記された、赤と黄色の円形シールをポッケいっぱいに詰めながら、本日賞味期限切れ製品を求め彷徨う、板前帽の高専生。早速ですが、副チーフが馴れ馴れしくて気に入りません。あいつホモか。ホモの芸能人か。そんなオーラで話しかけるな。でも仕事は教えろ。

 他の部署の高校生が鬱陶しい、休憩室が事務所員と共同であり、若さを吸い取られる危機を感じる、休憩室で高校野球が延々と流されていて殺意を覚える、昼ご飯を何処に買いに行けばいいのか困る、などとネガティブな印象の初勤務。長靴の底がとても硬くて、足が痛く、ああめんどくせーなーなどと考える僕は、初日である今日からいきなりの六日連続勤務です。思ったより魚臭いでもなく、仕事はやはり楽。長靴を除けば。まあこの六連勤でなれるでしょうが。

 オカマ副チーフが、「君、意外と筋肉質やなぁ」 「細いなー。やるなー。君、やるなー」 「意外とはっきりしてるな」 「君、バンドとかやってるん? いやー、なんか初めに写真見たときに、なんかバンドやってそうやなぁって思ってん」 などと発言しやがる。セクハラですね。あなたの場合、同性であっても性的嫌がらせです。明日も八時間働いてきます。頼むから包丁は握らせてくれるな。


 今日放送してたルパンの映画がびっくりするほど面白くなくてびっくりしたね。画から画への繋がりがとことん気に入らず、ひとたびビリヤードを興じればシーンは繋がらず、セリフの間は無意味で、原画に魅力を感じられず、なにより不二子が、全ての女性キャラクタが魅力的でない。セクシィさは重要なファクタ。 あとは、旧作の方の「戦国自衛隊」と、「69 sixty-nine」を見た。どちらも、見て良かったと感じる。特に69は、これまた村上龍氏による原作は過去に読みはしたものの、映画化ってどうやねん的な意見であったので、ひっくり返されて、とても良かった。初期座標がマイナスである方が、揺さぶりは大きいですもんね。どうでもいいけど、西暦一年と紀元前一年の差って、一年ですね。 1−(−1)=1になってますね。はいどうでもいい。

 69でも何でも、学生服の妻夫木君を見ると、どうしてもジャスティスのブルマを思い出します。女の子可愛かった。戦国自衛隊は、嫌いじゃないんですけどね…嫌いではないんですけどね…。とお茶を濁しつつ、退場。 時間は多少なりともあるが、その時間を費やし自主的にやるべきことが比較的決定している、という状況では、どうしても本よりも映画になってしまいます。映画はだいたい、二時間くらいで完結するものなぁ。本を一冊読み切る時間って、どのくらいなのか意識したことがない。計る気にもなりませんが。




七月二十日(水)

 授業終了、夏休みに入る。も、明日も学校。

 映画観てました『ラブ&ポップ』。どうやら僕は庵野監督がものすごい好きらしいですよ。キューティーハニーとか、観たらあの名前わかんないけど主演のもっちりさんすらも好きになってしまいそうで怖い。中学生の頃、村上龍著の原作を読んだ記憶が未だに残っており、村上龍の描く性は苦手であるのだけれど、映画となればやはり違い、なんだろ、何が好きであるのか説明できぬが好きなのだ。仲間由紀恵がむちゃくちゃ若かったはずなのに、全然今と同じ顔であり、肩すかし。鳥肌実が二秒くらい出てた。浅野さんのセリフ、風呂場で叫んでるところのセリフを抜いて音楽に使用している曲があるのだけれど、それ知らなくて、曲だけ知ってて、浅野さんがそのセリフを言ったとき、ここで出会えた偶然に感動した。ああ、内容関係ないや。でも庵野らしさっていうのは、確実に、ある。それをどう見るかは、完全に個人の裁量であるのだけれど。

 「全然面白い」という言葉が、乱れた日本語とされ鬼の首を取ったように大騒ぎするPTA風の人をがたまにいますが、つまり「全然」という単語は反語にしか用いてはならないものであろう、という言い分だと思われるのだが、それこそ間違いで、五十年ほどさかのぼれば、夏目漱石の坊ちゃんなんかにも「一体生徒が全然悪いです」といった具合で「全然」=「完全に」という表現があります。だから何だっつー話なんですけど、どこぞのライターが勝手に使ったことからマスコミ伝いで広まった「ハッカー」という単語やら、別に単語の誤用に限らないんだけれど、踊らされるのいい加減にしようよ。同じ馬鹿でも、自分から踊るのであって、踊らされるのは、おろろ、何じゃろか。


 おまけ

@「完全に」と言い換えられるもの。

「それは全然生徒が悪いです」 (漱石『坊っちゃん』) など。これは古い用法で、現代では不自然でしょう。


A述語の語彙的否定の意味を強めるもの。

「全然○○ない」 「全然違う (=同じでない)」など。現代において最も一般的な用法です。


B聞き手の懸念を強く否定するもの。「あなたの懸念とは反対に」と言い換えられる。

「全然面白い」など。「面白くないんじゃないか」と懸念している (と思われる) 相手に対して使います。比較的新しい用法でしょう。

・特定の懸念を含まない質問に答える場合の「全然」は、Aの用法にあたります。
「釣れますか?」 「全然 (釣れません)」

・特定の懸念を含む質問に答える場合の「全然」は、Bの用法にあたります。
「こんな所で、釣れないんじゃないですか?」 「全然 (よく釣れますよ)」


C比較の構文で、程度の差が大きいことを表すもの。「断然」 「はるかに」などと言い換えられる。

「あれよりこれのほうが全然いい」など。新しい用法で、「断然」との混同ではないかとも見られます。




七月十九日(火)

 本日二度目。昨日は、カラオケはなかったんだけれど、夕方になってから西川からメール。「久々に小学校に集まろう」ってなことなんで、まあそういうことなら、と夜九時にいそいそと小学校の門を乗り越える。これ大阪だったら通報されてるなぁ。などと合流。なんか色々話をしたんだけれど、あんまり覚えてないってことは、きっとどうでもいいことで、どうでもいいことを二時間も喋り続けるってことは、素敵、なんてことではなくて、単に二人とも暇ってだけのこと。

 それでもなんだか、成人式がありますね、そうですね、彼はどうしているのでしょうね、などと話しておると、なんだかやり切れなくなってしまい、帰り道、缶酎ハイを買い、夜道をとぼとぼ歩きながら、飲む、飲む。帰った。ああ、なんだか中途半端、そう、みんな中途半端だ、と思い、部屋に常備されておったウイスキに手を出す。この時点で友人から電話。僕は異例の早さで潰れる。酩酊の気持ちよさが、どんどん短くなっていってる気がする。長々と一時間ほど電話し、もう最後の方は、完全に酔っぱらい、ドランクド・ヘッドとなっており、もの凄い加速度、ああ気持ちわる。

 で、吐く。久々だなぁ。何も懐かしくない。ひりひりする。ウイスキは駄目だ。

 まあそんで今日は見事に二日酔いだったわけです。
 そして面接へ続く。




七月十九日(火)

 面接行ってきました。後学のために、色々晒してみる。

 昼頃、履歴書購入。今思い出すと、学歴に学科名が書いてなかったり、志望理由なんてそもそも白紙だったり、やる気のなさは既に爆発。学校帰りにスピード写真を撮ろうと思っていたら、謎のスコール。びしょびしょで、写真を諦め家に帰ると、あれ、学生証に使った写真があるでないの。撮ったの三月くらいだけど、まあいいや、と貼り付けエコマミへ。

 サービスカウンターってどこにあるんだよ、と迷いながらもなんとか到着。おばちゃんに案内され、従業員控え室へ潜入。何処へ行っても、従業員控え室ってのは薄暗いもんなんやね。ここで待たれよ、とソファへ誘導されたので、待つ。偉い人が入ってきたので、腰を上げて挨拶。宜しくお願いします。どうぞと言われるまでは座らない。この時点で、自分的面接モードがオンになる。ものすごい好青年よ? うさんくささを楽しむのがコツ。

 履歴書を見ながら、通勤時間、勤務可能日など簡単な問答。と、今度は水産部のチーフとやらが入室。二対一か。卑劣な。まあよい。全てを飲み込む面接モードの僕。「魚は好き?」の質問が笑えた。

 その後も素晴らしい『出来た人』を演じておると、おろろ、「じゃあ決まりということで」。あ、採用されてしまった。 「靴のサイズはいくつですか?」 「26cmくらいですね」 「じゃあそれで長靴用意しておきましょう」 長靴?!

 というわけで、なんかうのら〜んとしておったら近商水産部に即採されてしまった。おろろ。早ければ今週末にでも入ってもらうとのこと。おろろ。時給は730円スタートでした。ここで初めて時給を知る僕。ああ、そんな制度がありましたね。どうやら僕の上司となる水産部チーフが、二十世紀少年のゲロゲロ帝国の人に似てて少し笑えた。つまりカエル顔。あ、名前忘れた。まあなんとなくなんとかなるだろう。

 つまり近商の水産部門で働くことになったわけです。「なにか以前にしていたアルバイトは?」 「マクドで二年ほど働いてました」 「あー、マクド、じゃあ忙しいの大丈夫そうやね、あれ、きついもんね、ははは」という会話が。なめんな。


 帰り際に、「水産にも今一人だけバイトおるんやけどさ、龍谷大学の、でも彼が八月五日で辞めるって言うねんなあ。だから、君一人になるけど、長くよろしくね」
 隊長、また辞めるに辞められなくなりような予感が。ぽかーん。




七月十八日(月)

十七日メモ。天王寺動物園、リリアン、たこ焼きうどん。
読めるもんなら読んでみろこの行動。

 久々の地元の友達(西川)からメールが入り、カラオケに行こうと。でも二人だとつらいねぇ。橋本に連絡してみようか。連絡が帰ってこない。あー中止かー。な午前。福井は今も和歌山で死にかけの一人暮らしを送ってるんだろうか。藤田は横浜で、もう海には行ったんだろうか。西川は、今年こそ関大に入学できるのだろうか。唯一の社会人である西村は、いつ地方のベルト工場に飛ばされるんだろう。橋本は、あのテニスサークルで、今も弄られ盛り上げ隊長として体調を崩し続けているのだろうか。そして僕はカラオケに行けない。
 今年も、僕らの町では夏祭りがある。今年は、集まれるんだろうか。年が明ければ、成人式がある。どんな顔をして、皆と挨拶を交わすのだろう。皆、酒には強くなったんだろうか。ビール一杯を飲みきれない福井は、鍛えられたのだろうか。 それだけは有り得ない気がする。それだけは、やめてくれ。


ランディ 俺のファーストキスを
ランディ 鮮やかに奪い去ったのは
ランディ 君だったね
君だった 君だったのさ

ランディ 覚えているか
ランディ 悪ふざけのポッキーゲーム
ランディ チョコの味はほとんどしなかった
チョコの味は チョコの味だけは

ランディ 彼は男じゃないかって
ランディ 恋人は言うけれど
ランディ 俺のファーストキスを奪ったのは
確かに君だった 君だったのさ


 コープに電話。「今そちらでアルバイトの募集はないでしょうか?」 ぶっつけ本番にして、少し不審者な俺。 「少々お待ち下さい・・・あ、うん、いや、ないですねー」 当たって砕けた。

 五分後、エコールマミという複合商業施設に内在する近商ストアに電話する俺。とにかく飲食関係だけは避けなければならないのだ。 「今そちらでアルバイトを募集してないでしょうか?」 おお、なんだ、ずいぶん話がすいすいと進むではないか。あれよあれよと言う間に、名前、年齢、職業、住所、電話番号を聞き取られてしまう。 「では明日、六時から面接を行いますので、サービスカウンターまでお越し下さい」 あ、え、はい。ワカリマシタ。

「はい、学生ですが、夏休みなので。いえ短期というわけではなく、授業再開の後も続けられればなと考えております」

 もちろんそんな気はない。




七月十六日(土)

花火が残ってる しばらくは付き合うよ
この騒ぎが終わるころ 僕らはいないのさ
(THEピーズ/線香花火大会)

 なんかバトンというものが流行ってるそうですよ。流行ってるのか?まじで? とにかく受け取ってしまったからには、次に託さなくてはならないわけで、次に託すためには、なんとかそこまでたどり着かなきゃならないわけで。
 ちなみにInnocent Blueさんから受け取りました。受け取るしかあるまい。
 さあ、行こうか。

- - - コミックバトン - - - - - - - - - - - - -

1.所有している漫画の数

 約二十冊。意外とあるなぁ…
 と思ってたら、パソコンに、アレでアレした漫画が150冊くらい。
 うわ、引くわ! 自分引くわー。


2.最後に買った漫画

 恋の門1〜6(羽生生純)か、北神伝綺(大塚英司+森美夏)。
 でも半年以上前。


3.好きな声優さんの名前(何人でも)

 声優の…名前?
 エヴァの加地さん。シンジくんの叫び声。AKIRAの金田。ルパン。
 ラーメンズ、何かの声優してませんでしたっけ? NHKとかで。
 あと我修院達也。


4.最近萌えている、または思い入れのあるキャラ5人(アニメ、ゲーム)

 ああ、なんだかこのバトンの傾向が読めてきた。 拙者も題名のみで勘弁。
 ・エヴァ アニメ版
 ・グリーンヒル(古谷実)
 ・彼氏彼女の事情 アニメ版
 ・センチメントの季節(榎本ナリコ)
 ・ペンギンクラブ(エロ本)


5.次にバトンを回す人(1〜5人)

 ・s k y w i n g  (タナケン)
 ・Munraa's HP (peacestar)
 ・何似在人間? (ぱぶろっく)
 ・月に照らし出される場所 (オレっち)
 ・Hata.net (Hata)
 ・東京通信 (府内源)
 ・Distortion9 (JIN)


 人数制限は気にするな! だって結果的にバトンが渡るのは数人だろうから。
 気が向いたら、他の人も掲示板に答えてみてよ。
 そして僕を楽しませてよメイクミーファニー。

 トライガン全巻、恋の門全巻、キノの旅(おそらく)全巻、買い取り募集。
 ていうかタダでいいや。貰って。部屋狭いの。つーか重い。部屋が重い。

 ミュージックバトンはまた後日。