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六月三十日(木)

 賞味期限切れセブンスターが、実は去年の二月、つまり期限切れ一年半が経過していることが判明。脳内政府は、ここ数日の倦怠感の原因が喫煙にあると断定、明日にも正式に対策本部を設立する構えである。

 朝っぱらから近鉄橿原線で事故。電車が車を轢いちゃったとのことで、八木駅で足止め。ここで素直に帰っては負けを認めたようでムズ痒い、というわけで駅構内本屋にて舞城王太郎「阿修羅ガール」の文庫版を発見、書き下ろしが加えられているということで、購入。ミスタードーナツで二時間ほど潰すも電車は動き出さず、代行バスが臨時に回ってくるという話はあるが、バス停には長蛇の列、ていうか列すら成してないじゃん黒山じゃん。で、すごすごと登校を諦め友人宅でのらりーんとしておったら、おろろ、夕方じゃん。で帰宅。六月三十日は、無かったのだ。

 電話代を見てちょっと、いや、結構びっくり。どうして話したい人と話すのにお金がかかるのか。理不尽な。

 以下、私的メモ。そのうち使ってみたい英文たち。
「OKオールライト、ガール。ソーゲットザファックアウトオブヒア!ナウ!」
「アイムプリティファッキンファーフロムOK」

プリミティブ = 原始人、原始の。転じて、初期の、基本の。




六月二十八日(火)

 昨日は、制服、密会、飲むパイナポーヨーグルト、などなど。
 賞味期限が今年二月のセブンスターカスタムライトを貰ったので、毒殺されるかもしれない。

 年頃になった彼女の思慮深い悲しみが、二十年後、ベストセラーとなった。
 「私が手首を切ったのは、リストバンドを外したくなかったからよ」という彼女の言葉は流行語となり、蛍光イエローのゴシック体、街中に並んだ。
 当人のコメント、「いややわぁ」。
 永遠の、孤高の天才を疑われぬまま、彼女はもうすぐ、お婆ちゃんになる。

 映画。起き抜け(午前零時半)に「SURVIVE STYLE5+」を観劇。テンションの波長が好きで加速、中だるみして失速、後半、愛を感じて加速、そんな感じ。「違うよ! ホモじゃねぇよ! ……ゲイだよ」というセリフが出てきて、ドキドキ。うわぁ、僕、二番煎じじゃん! 映画としてはどうなんだ? っていう問いを無視して走っちゃうあたり、好き。阿部寛、名前出る割には出番少ねー。幾度も殺すうちに芽生える愛もありますよね。変に愛を感じた。コピーが「みんなどこか変態」っていうわりには変態度が低くて、多少は不満。

最近の読了履歴。
清涼院流水「コズミック流」
清涼院流水「コズミック水」
野中柊「ガールミーツボーイ」
いしいしんじ「プラネタリウムのふたご」
寺山修司「ポケットに名言を」
森博嗣「地球儀のスライス」
古谷実「ヒミズ(全巻)」
古谷実「グリーンヒル(全巻)」
津田雅美「彼氏彼女の事情(1〜20)」

 良い本を読もうとかいうのはあまりなくて、濫読しまくっているだけであるので、読書案内ではないのです。ヒミズ、グリーンヒルは薦める。鈴木いづみが読みたいが、ビレッジバンガード以外で目にしたことがない。




六月二十六日(日)

「君はどうして、そんなに変なのかな?」

「……恋と間違えたんだよ」


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尽きてきた。




六月二十五日(土)

目がショボショボする上にパソコンの画面が眩しくて更新できません。
ので、読み物でも紹介。

ブックマークより、古谷実論




六月二十三日(木)

 放課後ソフトクリーム城デート。いつかこの日記を読み返して「あー、あの」なんて思う日も来るんだろう。嬉しい限り。


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「先輩、タバコ臭い」

「ええ?!  吸ってないよ?」

「知ってる」

「あ? ああ、そう」


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「ねえ、タバコで死ねるって知ってる?」

「……塩で死ねるって、知ってます?」

「うそ! まじ?」

「空気で死ねるって知ってます?」

「ええ?! ええぇぇぇ?!」


- - - -

注釈)塩は300g(茶碗一杯程度)を一度に摂取すると、死にます。
醤油で約2リットル。


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「ハルシオンじゃ死ねないって、知ってます?」

「何それ? バンプの曲?」

「せめて、花の名前?って言ってください」


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「扇風機で死ねるって知ってます?」

「うそ! どうやんの?」

「裸になって身体を食塩水でびしょびしょにして、扇風機のコード引きちぎって左胸と背中にしっかり接着して、暴れてコードが外れないように身体を拘束して、それからコンセントを差し込む」

「あー……ずるい!」

「ずるくない」


- - - -

「あー、死ぬー」

「死にません」

「え? ほんと?」

「はい」


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「ねえ、タバコで死ねるって知ってる?」

「別にタバコなんかなくったって、紐が一本があれば死ねるよ」

「あ、ほんとだ」

「試す?」

「できれば君の手がいいな」





六月二十一日(火)

対話シリーズというジャンルを開拓。


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「ねえ、想像してみて。天国なんかない。簡単なことでしょ? 下には地獄もないし、上には空があるだけ。みんなが"今日を生きている"って、想像してみて」

「は?」

「想像して。国家もない。そんなに難しいことじゃない。命を奪うことも奪われることもない。宗教だってそう。想像して。みんなが平和を生きているって」

「何故ジョンレノン?」

「ちっ」


- - - -

「どうせね、さよならだけが人生なのよ」

「死んだら花見ができないもんね」

「?」

「井伏鱒二でしょ?」

「?!」


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「さよならだけが人生なら、人生なんかいらないわよねー」

「寺山修司?」

「私が?」

「違う」


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「生きなさいよ。そんで、堕ちなさい」

「坂口安吾?」

「あー死にたい」

「それ流行ってるの?」


- - - -

「あー死にたい」

「女子高生?」





六月二十日(月)

「君は偽物で、どこかに本物の君がいて、そいつはすごい面倒くさがり屋で、生活だなんてものや、ただの器の癖に重たくて制限だらけのこの身体ってやつを君に押しつけて、どっかのビルの屋上なんかで一日中雲に絵を描いて遊んでいるんだとするじゃない?」

「何の話?」

「はい、君の目の前に、突然本物の君が現れましたー。そいつはこう言うのよ。気ままな生活もそろそろ飽きた、俺はその身体に戻るから、お前もういいや、ってね」

「ふーん」

「どうする?」

「あー、ちょっと嫌な感じ。生活を取られることがどうとかじゃなくて、今まで僕は僕として、僕なりに生活しててさ、それをいきなり直角方向からスコーン、て、ちょっとムカつく」

「君もムカついたりするんだー」

「うん」

「でもね、本物の君はやっぱり本物の君だから、なんかこう、ペンライトみたいな機械で簡単に君を追い出しちゃって、元の身体を手に入れるんだよ」

「なにそれ」

「いいのーそうなのー。でさ、身体を取られて意識だけになるんだよ君は。ふわふわふわーってね。さあ、どうする? どーする?」

「……機械の身体になる、かな」

「私は君のそういうところが好きだよ」

「どうも」

「キスしますか?」

「しません」



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「先輩ならどうするの?」

「私? んー、ふわふわしてるの楽しそうだから、とりあえずふわふわしてるかな。どっかのビルの屋上で」

「……ふわふわ」

「そう、ふわふわ。それに飽きたら、まあ、適当な人の目の前にいきなりばーんと現れて、私は実は本物のあなただから交代しなさいって言って、また適当に暮らすかな」

「飽きるまで?」

「そう、飽きるまで」



- - - -

「まだ飽きない?」

「君といるからね」




六月十九日(日)

 感覚基地フリーペーパー展、第二回上映会終了。ありがとうございました。
 「もうホモにしか見えないですね」との有り難い言葉を頂戴する。ホモじゃなくてゲイです。という常用句も、あの作品が上映されたことで微妙に冗談と取られてくれない可能性がチラホラ。ああ楽しいなあ。

 打ち上げでまったりしていると、口の端に付いたご飯粒を取るくらいの簡単さで終電がなくなる。ほんと簡単に帰れなくなりますね。運良く友人宅への電車が残っていたので、「起きてる?一晩の宿をお願いし申す」。最近は野宿も減ってきて嬉しいばかりです。まあ本当に無理ならカラオケにでも行くかという財力によるものではありますが。寝転べるって素晴らしい。
 宿代として、甘い甘いノロケ話を胸焼けがするほど聴かせる。結果、喋っておった拙者の方が胸いっぱいの夢いっぱいに。

 んで帰って来ました。キューブ工作、撮影、中間テスト、受験、上映会というノイズだらけの高調波みたいな連続線もようやく緩やかになり、久々の、日曜日としての日曜日、なのでまた寝ますけど、ああ、今なら側転できる。



 二色の飴玉を口移しして遊ぼう
 マッチ箱ほどの性的さで突っつきあおう
 納豆御飯食ってからチューしよう
 二人で手を繋いで家出しよう




六月十七日(金)

 お久しぶり。
 今、お久しブリーフって言いたいの我慢した。

 月曜。ルーズリーフに手紙を書く。初めて便せんという形で郵便物を投函。しかも中身はラブレター。マイセルフを純情パインと認定する。

 火曜。体育の授業がドッヂボール。生徒は二十歳。大学二年生扱いである。でも本気。足の親指に血豆を作るが、よく考えたら受験前日。

 水曜。午後から奈良高専電子情報工学専攻科の推薦入試。面接のみ。志望動機、専攻科に求めているもの(研究、教科)、高専学外での活動を通じて印象的であった出来事、卒研内容、などなど。質疑応答でキルヒホッフの電圧則とコンデンサの電流電圧の関係式を答え損ね、落胆。

 木曜。落胆は続く。体感時間というものは、待機という状況において、最も緩やかに流れる。そこから逃れるため、眠りまくる。仮死状態あるいはコールドスリープを目指す。失敗。

 金曜。授業中眠たくないという近年希に見る状況に、しかしながら先日の中間テストが返還されていく。学校というものには「前日勉強」という用語が存在するが、それを凌駕する「当日勉強」のみで受けたテストであるので、結果は想像に容易い。具体的には25点とか。どひゃあ。でも入試に受かっちゃってた。どひゃあ。そんなこんなで進路確定。

 指導教官殿に「受かーりまーしたー」と報告に行くと、「卒研に集中できるね」とのありがたいお言葉。先生、三角定規じゃあ測れないことがあるんですよ!の思想と共に、バイトを探そうと決意する。っていうか稼がないと携帯が止まる。必要に迫られる、ということは、最も強固な動機である。

 びっくり更新!TEXTの項へ。