9月20日(再来)
事件は部が終わり、7時ごろ、外も暗くなった駅前から始った。
「なんとなく」でたこ焼きを食った、僕とセンパイ3人+αは、帰りの電車を待っていた。帰っていくセンパイ方々。たこ焼き、ごちそうさまでした。おっと、僕の乗るべき電車も来たようです。扉の前に行きましょう。そのとき―――ある女性が目の端に映りました。その瞬間、僕の体に電撃が走ります。
(何?これは・・・・・・・・恋?)
違うよ。それは
変だよまーもー。
そう、何かが変だった。その女性に、妙なデ・ジャブを感じた。
こいつ・・・どこかで・・・ッ!まさか―――いや!そんなわけがないッ!あいつがココにいるわけが・・・ッ!心からそう願った。そうであって欲しかった。事実、そのときの僕はとても疲れていたし、デ・ジャブぐらいよくあることだ。けど、この引っ掛かりは何なんだ・・・?「ドンッ!」肩に衝撃を感じ、はっとする。いつのまにか電車から乗客が降りてきていたのだ。扉の真正面から移動し、電車内に乗り込んだ。彼女とは―――別の車両に。
八木駅。橿原線から大阪線への乗換駅。僕はそこで大阪線に乗り換える。五位堂に帰るために。僕は彼女を探した―――いや、確認したかったわけではない。ただ、逃げたかったのだ。敵から逃走する場合、敵の位置確認は最も基本であり、重要な行動だ。幸か不幸か、彼女の姿は無かった。やはりただのデ・ジャブだったのか?まあ、疲れていたんだろう。早く帰って、ゆっくり休もう。そうだ。明日は五時限授業の日だ。試験勉強も頑張らないとな・・・。そして、上本町行きの電車の中、僕は浅い睡魔に身を任せた・・・・。
気が付いたときには、ちょうど五位堂まであと数秒という所だった。軽く伸びをして、眠気を覚ます。「さて、行きますか・・・」そう思い、立ち上がる。そして、目の前には―――
目の前には―――彼女が。
―――目が合う。思わず眉をしかめる。相手も、ほぼ同じ反応を見せる。
それだけだった。次の瞬間には、扉が開き、僕は逃げるようにホームの階段をひたすら上る。
僕の頭の中は、ある単語でかなり混乱していた。
(何故・・・・なぜあいつが・・・ボンレス・・・・・・
ボンレス・ハムッ!)
はい、ここで最初に戻ってザーッと読み返してみましょう。文系だめだめ人間なあなたでも、気付いたハズです。―――そう、キーワードは駅。そしてデ・ジャブ。つまり・・・
つまり、ボンレス・ハムは郡山駅にも出没する・・・・ッ!!
ボンレス・ハムは郡山駅にも出没するッ!
なんてこったい・・・・